ギターアンプ(Marshall JCM2000)をオーバーホールしました。
- 2017/11/29
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Marshallの中でも絶大な人気を誇るギターアンプ『Marshall JCM2000-TSL100』をオーバーホールしました。
熟練リペアマンによるメンテナンス内容と生まれ変わったサウンドとは
JCM2000-TSL100は既に廃番となっているアンプですが、独立3chの自由度の高い音作りとMarshallらしいハイ上がりの抜けの良いサウンドで多くのギタリストに信頼を得ておりレコーディングでも使用頻度の高い1台です。
現行品であるJVMシリーズに比べて良い意味での荒さのある歪みが特徴で、アンサンブルに混ぜた際の馴染み方は唯一無二のサウンドです。ただし使用頻度が高さと比例して真空管などの消耗品は負担が掛かっており、定期メンテナンスは必要不可欠で今回もEMPIRE CUSTOM AMPLIFICATION(E-C-A)様に依頼して下記メンテナンスを行って頂きました。
●メンテナンス内容
抵抗×6個交換
ダイオード×5個交換
パワーソケット交換
ジャック×2個、Volポット3個交換
パワー管EL34×4本「スベトラーナ製」交換
プリ管12AX7×4本(JJ製)
冷却ファン×3個追加(冷却ファンはパワースイッチオンと連動)
追加で電解コンデンサ×5個交換
各部チェック、クリーニング、再バイアス調整、オーバーホール上記メンテナンスを行った結果、下記の改善が見られました。
・全体的にノイズが軽減して早い音の立ち上がりに
・クリーンチャンネル側のハムノイズが特に大きかったが、修理+冷却ファンの追加でハムノイズは半分以下に
・歪みチャンネル側のGAINポットを回す際のガリの様なノイズを除去
・追加したファンを回していることでパワー管の温度ドリフトを発生しないように
・基板のパターンカットや部品を直接つなぐなどして基板上のDC(直流)漏れを軽減
メンテナンス後に早速レコーディングで使用し、メンテナンス前のサウンドとは明らかに前に押し出すパワーが上がりレンジも広くなり視界が開けるサウンドになり、ピッキングのニュアンスも明瞭に聞こえるようになったのでリフやギターソロなどもPro Toolsのフェーダーを上げることが少なくなり、またミックスダウンでのEQ処理も最小限に軽減しました。ダウンチューニング楽曲の場合もノイズレスになったので歪ませてもニュアンスと重さを兼ね備えたギタリストが求めるサウンドが手に入ります。
またスタジオ常設の各シールド(BELDEN 8412、BELDEN 8428、BELDEN 1192、MOGAMI 2524など)で弾き比べた際もシールドの特性がメンテナンス前に比べて発揮されてるようになり、エフェクターの持ち味も引き出せるようになりました。
まとめ
どんなに名機と呼ばれるアンプでもメンテナンス有無がサウンドに直結しており、疲れ果てた真空管や消耗パーツでは良いサウンドを生み出す事が出来ません。
CPR STUDIOではアンプの本来のサウンドを体感し、最大限にパフォーマンスを発揮出来るように日々機材コンディションのチェックを行っているので、皆様が納得出来るレコーディングを行えます。
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